2019-09-16から1日間の記事一覧

№42:2019倭城踏査速報(後編)

4月7日㈰ 曇のち雨 旅の後半戦となる本日からは単独行動となる。天気予報では「曇のち雨」の予報が出ており、時間予報でも昼前からの降り出しとのこと。この予報を信用して山城へは行かずに、国立晋州(チンジュ)博物館(慶尚南道晋州市)で情報収集すること…

№41:2019倭城踏査速報(前編)

4月3日㈬から同月10日㈬にかけて、約1年ぶりとなる倭城踏査旅行を行った。本来ならば年度末までに、有給休暇を消化する意味でも、遺構の写真映りを考えても3月中に訪韓したかったところだが、3月前半は発掘調査報告書の作成で忙しく、仕事が楽になると…

№40:安土城(滋賀県近江八幡市)

安土城縄張図:中心部(一部、滋賀県教育委員会原図を参照) 安土城(滋賀県近江八幡市)は、言わずとしれた織田信長が天下統一を目指して築いた居城であり、1576(天正4)年から築城を開始して1579(天正7)年に完成を見た。1582(天正10)年の本能寺の変で一度焼…

№39:蔚山倭城(大韓民国蔚山広域市)

蔚山倭城縄張図 蔚山(ウルサン)倭城は、倭城踏査のみならず人生の中でも忘れえない思い出の多いお城である。1999年には初の一人旅で倭城を巡り、その前年の98年には「蔚山の置いてけぼり事件」が起こった。韓国語もろくに喋れない異国の地で本隊に置いてぼり…

№38:二条城(京都市)

二条城縄張図 二条城は国宝であり世界遺産でもある。同城は昔から京都を代表する観光名所であったが、近年は海外からのお客さんも増えて大層な賑わいである。筆者は京都に住んで長いので、二条城はもはや地元のお城の感覚である。入城料を払って入ったのは10…

№37:亀浦倭城(大韓民国釜山広域市)

亀浦倭城縄張図 亀浦(クポ)倭城は、都市鉄道2号線「徳川(トクチョン)」駅から歩いて行ける“駅前倭城”である。ただし昔からそうだったわけではなく、筆者が本格的に倭城踏査を開始した1990年代後半は、まだ釜山市内には南北に貫く地下鉄1号線1本しかなかっ…

№36:赤木城(三重県熊野市)

赤木城縄張り図 赤木(あかぎ)城は、旧国名を冠して「紀伊赤木城」とも呼ばれることから和歌山県にある城跡と誤解されることもあるが、実際には三重県の城跡である。もっとも同城は、三重・和歌山・奈良の3県境が複雑に交差する非常に山深い地点に位置してい…

№35:梁山倭城(大韓民国慶尚南道梁山市)

梁山倭城縄張図 1996年の確か秋頃、梁山(ヤンサン)倭城が土取り工事で消滅するという、ショッキングな情報が飛び込んできた。さっそく筆者が所属するお城の研究会で、破壊前に地表面調査による調査を行い、その記録を残さねばという話しになって、有志で12月…

№34:安宅八幡山城(和歌山県西牟婁郡白浜町)

安宅八幡山城縄張図 筆者が生まれて始めて訪れたお城は、小学校4年生の遠足での和歌山城で、2番目は小学校の修学旅行での大坂城である。この時はそれなりに楽しんで帰った記憶があるが、現在の城郭研究には直接繋がっていない。人生3番目に訪れ、そして初…

№33:南海倭城(大韓民国慶尚南道南海郡)

南海倭城縄張り図 南海(ナメ)倭城は、大韓民国慶尚(キョンサン)南道南海(ナメ)郡南海邑船所里(ソンソリ)に所在し、釜山から見ると、順天(スンチョン)倭城に次いで2番目に遠い所に位置する倭城である。しかし釜山市内の西部バスターミナル(別名:沙上バスタ…

№32:周山西城(京都市)

周山西城縄張図 2020年のNHK大河ドラマは、明智光秀が主人公の『麒麟がくる』に決定した。筆者は大河ドラマの類はほとんど見ないのだが、それでも密かに期待していることがある。丹波地域には、明智光秀が築いたり改修の可能性が指摘されている城跡が多い…

№31:2018倭城踏査速報(後編)

(前編より続く) 5月13日㈰ 小雨のち晴 昨日の午後から降り出した雨は、夜半過ぎには本降りとなっていたが、目覚めた頃にはほぼ上がりかけていた。 本日の踏査地は、西洛東江(ナクトンガン)の左岸に位置する徳島(トクト)倭城と、右岸に位置する金海竹島(キメ…

№30:2018倭城踏査速報(前編)

2018年5月9日㈬~16日㈬にかけて、8日間(実質中6日間)の倭城踏査を行った。自身としては昨年3月以来1年2か月ぶりの訪韓であったが、今回は数字以上に久々に感じられた。当初の計画では、昨秋の10月か遅くても11月前半頃にと考えていたのだが、少々長…